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サッカープレー中の脳震盪
ボールをヘデイングすることによる脳障害の発生はまれであり、多くの頭部外傷は、頭部と地面、頭どうし、頭と肘などの衝突により、顔面や頭頂部が強い衝撃をうけた場合にしかおこりません。
このような場合でも、硬膜外血腫、硬膜下血腫あるいは脳内出血などの重篤な損傷がおこることはまれで、多くの場合は、脳震盪だけがみられます。
脳震盪の定義は、CISG(Concussion in Sports Group)によると、以下の様になっています。
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頭部、顔面、頚部、あるいはその他の体部への直接的衝撃があって、頭部に衝撃が伝達されるもの。 |
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典型例では、突然の短期間の神経機能障害と、その後の症状の自然消退がみられる。 |
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脳震盪により神経に機能障害が生じることもあるが、急性の臨床症状は器質的損傷ではなく、機能障害を表している場合がほとんどである。 |
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脳震盪により、意識障害が伴う場合もあるが、臨床症状、認知症状は順次消退するのが普通である。 |
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神経画像検査は通常ほぼ正常である。 |
FIFAの統計によると、試合中の脳震盪の原因は、すべて他の選手との接触であって、ボールのヘデイングではありませんでした。また、頭部外傷の発生率は、試合のレベルが高くなるほど最高4倍まで上昇することが報告されています。
脳震盪は必ずしも意識障害を伴うものではなく、認知症状と臨床症状は次のようなものです。
| ○認知症状: |
試合の前半、後半、相手チーム、現在のスコア、試合会場、日時等がわからない。錯乱、記憶喪失(特に最近の記憶)、意識消失など。 |
| ○臨床症状: |
急性期の症状として頭痛、めまい、悪心、平衡感覚喪失、ぼーっとした感じ、星や閃光がみえる、耳鳴り、複視など。 |
| ○遅発性症状: |
眠気、睡眠障害、著しい疲労感、動作が遅い感じなど。 |
このような症状が見られた場合には、決して受傷した試合または練習に復帰させてはいけません。
また、当該選手は放置せず、現場の責任者が監視する必要があり、試合後は、医学的評価を受けさせる必要があります。
脳震盪を発症したプレーヤーは、一度脳神経外科医師など専門医の診察を受けてから、練習を再開するのが原則で、症状が重ければ、CTやMRIなどの画像検査を受けることになります。
プレーの復帰にあたっては、医療スタッフが監視するプロセスに従って、慎重におこなわなければなりません。
選手に重度の障害が発生したり、後遺症が残ったりすることがないよう、指導者の方々には十分に注意していただきたいと思います。
参考文献:F-MARC(FIFA医学評価研究センター) サッカー医学マニュアル、頭部・脳障害 205〜212、2007年、財団法人日本サッカー協会発行 |