女子普及
【開催報告】女子小学生 未来への釘打ち(東京/福島/岩手との交流)

交流という機会が彼女たちの人生を紡ぐ
東京2020大会、宮城の地で実施された唯一の競技『サッカー』。
7日間で10試合が実施され、その多くが女子サッカーでした。「なでしこジャパン」もこの宮城の地で熱い戦いを繰り広げました。
女子サッカーのプロリーグであるWEリーグも2年目を迎え、県内でも着実に女子サッカーに変化が訪れています。12月10日(土)には、次代を担う選手を対象としたスポーツ機運醸成を図ることを目的に、東京2020大会開催地であり、なでしこジャパンの試合も行われた宮城県利府町で女子サッカーの交流イベントを実施いたしました。
この事業は、東日本大震災以降に東京都と被災地との絆を継承してきた宮城県、福島県、岩手県がスポーツを通して人的・文化的交流を深める要素も含まれており、【スポーツを通じた被災地交流事業】として位置づけられております。
この交流事業を『Women’s Soccer CAMP』として、東京・福島・岩手・宮城のU-12女子チームが参加(東京都と宮城県が各2チーム、岩手県、福島県が各1チーム)をしました。午前は4都県の対抗戦、午後は日本代表OGの今井かおりさんをお招きし、サッカークリニックを実施した後、4都県の選手をランダムな6つのグループに分け、試合を実施しました。
弊協会では女子がサッカーをしやすい・関わりやすい環境の構築に取り組んでおり、その一環の中で今回の事業においても、小学校6年生女子選手の活動機会、女性審判員(高校生)の発掘にも取り組みました。
新形コロナウィルス感染拡大以降、県を跨いだ活動の制限があり、他県との交流や試合が少なかったため、選抜チームとして参加をした東京都、岩手県、宮城県にとっては活動数を確保できる機会となりました。さらに、女子選手同士の試合においては関東のチームと交流できることは少ないため、東京の選手との試合が選手の成長に大きな刺激になったのではないかと思います。
午後に行われた日本代表OGの今井かおりさんのサッカークリニックでは、4都県の選手全員が今井さんの指導に夢中になり、脳と手足をスムーズに動かすトレーニングを楽しみながらチャレンジしていました。直接指導を受けることで、普段取り組んでいないボールフィーリングのコツを知り、新たな技術習得のキッカケに繋がったのではないかと思います。その後、日本代表選手としての経験から学んだ前向きな思考や辛くなった時のマインドとして『サッカーを楽しむ』という原点へ立ち返ることの重要性をお話しいただき、選手たちは真剣な眼差しで聞き入っていました。
クリニック後に行われた4都県の選手同士が同じチームになり、6つのグループに分かれての試合でも、さらに他の都県の選手との交流が深まりました。ひょっとしたら、将来のチームメイトになる出会いがあったかもしれません。
一日を通しての試合で審判を担当したのは、宮城の女子審判員でしたが、東京からも女子審判員を派遣していただき、普段の取組みについての共有や、各試合終了後にフィードバックをし合うなどの交流もありました。合わせて、普段は選手として活動している県内の女子高校生が、初めての主審にチャレンジする取組みも実施しました。
彼女たちの挑戦を見て、経験を積むことが次の自信に繋がっていくことを改めて感じました。また、小学6年生の女子選手達に対し『選手以外にも好きなサッカーに関わる方法』の選択肢を見せることが出来たと感じました。プレーをする環境は、中学生、高校生、社会人と決して多くないのが女子サッカー界の現状です。もちろんサッカーを『する機会』を増やすことに取り組む必要はありますが、彼女たち高校生の関りがサッカーへの多様な関りの可能性を伝えられたのではないかと思います。
宮城県利府町でのサッカー仲間との交流、
日本代表OG今井さんと技術指導や体験談、
高校女子審判員の在り方に触れ
この経験は、彼女達の人生では一つの点でしかありませんが、いつかこの点が彼女達の長い人生の中で振返った時の線となり、豊かな人生へ紡ぐような財産となる活動(レガシー)になったのではないかと思います。
この活動にご協力いただいた東京都、宮城県をはじめとする皆様に改めて御礼申し上げます。
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